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今回は、新幹線の往復割引切符で途中下車する時の注意点についてのお話です。
往復割引切符は、新幹線で往復する時に割引を受けられるとても便利な切符。ですが、往復割引切符で途中下車に関する質問をよくいただきます。
例えば、東京~新大阪間の切符を購入した後に、予定が変わって名古屋で下車しなければならないということもあるでしょう。
この場合、途中下車をする時に注意すること、また途中下車をする時の方法など、分からないという人が多いようです。
また、往復割引切符で途中下車することについて、他の質問にもお答えしたいと思います。
そこで、新幹線の往復割引切符で途中下車する時の注意点、途中下車する方法、そしてよくある質問について詳しく解説したいと思います。
それでは一緒に見ていきましょう。
新幹線の途中下車とは?
はじめに、新幹線の途中下車について簡単に説明します。新幹線の途中下車とは、目的地である駅以外の他の駅の改札口を出ることをいいます。
ちなみに、在来線の改札口を出ることも途中下車となります。
ただし、改札口を出ないで目的地以外の駅のホームに立つことは、途中下車となりません。あくまで、改札口を出ることが途中下車となるのです。
切符に「途中下車前途無効」と印字がある場合、改札口を出てしまうと、そこで切符は回収されてしまいます。
下記に途中下車のル―ルを載せておきますね。
■途中下車のルール
- 特急券は途中下車できない
- 乗車券は片道の営業キロが101km以上なら途中下車できる
- 切符の有効期間のみ途中下車できる
- 途中下車できない切符もある※
※途中下車できない切符には、新幹線回数券、インターネット専用切符、お得な切符、ツアーの切符などがある
このように、途中下車をする場合にはルールがありますので、注意してください。
それでは、往復割引切符で途中下車する場合の注意点を見ていきましょう。
途中下車する場合の往復割引切符の注意点
往復割引切符で途中下車する時は、乗車券と特急券で状況が異なります。
- 乗車券・・・途中下車できる
- 特急券・・・途中下車できない
上記のように、乗車券は途中下車できますが、特急券は途中下車できません。
そこで、ここからは往復割引切符を購入する前の場合と、すでに購入した場合に分けて、途中下車する場合の方法を詳しく説明していきたいと思います。
往復割引切符を購入前に途中下車が決まった場合
往復割引切符を購入する前の場合、目的地と途中下車する駅(経由地)で乗車券と特急券の買い方が異なります。
途中下車する時のポイントは、こちら。
■ポイント
- 乗車券は目的地まで購入
- 特急券は途中下車する駅まで購入
それでは、乗車券と特急券の買い方について、見ていきましょう。
乗車券は目的地まで購入
往復割引切符を購入する前に、途中下車することが事前に分かっている場合は、乗車券は目的地まで購入しましょう。
往復割引を利用する場合、下記のような条件があります。
・乗車券のみ1割引
・片道あたりの営業キロが601km以上のみ適用
・有効期間(購入後10日~18日)がある
往復割引が適用となるためには、片道あたりの営業キロが601km以上必要です。
例えば、東京~新大阪間で片道営業キロ数は、552.6kmで足りませんので、往復割引切符は利用できません。
ですから、乗車券を途中下車する駅までしか購入しないと、そもそも往復割引切符を利用できない場合が多いです。つまり、乗車券は目的地まで買う必要があるのですね。
ただし、乗車券には有効期間(10日~18日)が設けられています。
切符には、「〇月〇日から〇日間有効」と記載されています。
往復割引切符の有効期間は、乗車区間の距離数によって決まります。有効期間内であれば、何度でも途中下車ができます。
例えば、途中で新幹線を降りて改札を出て、そこで一泊してから翌日また新幹線で移動することも可能なのですね。
その代わり、有効期間を過ぎてしまうと乗車券が無効となりますので、注意してください!
もし乗車中に有効期間を経過してしまった場合は、途中下車をしなければ、乗車券に記載されている最終駅までは乗車できます。
続いて、特急券の買い方です。
特急券は途中下車する場所まで購入
特急券は途中下車する駅まで購入しましょう。理由は、特急券は途中下車できないからです。
ですから、途中下車した後に目的地まで乗車する時に、その区間の特急券を再度購入することになります。
次に、往復割引切符をすでに購入した後に、途中下車することになった場合を見ていきましょう。
往復割引切符を購入後に途中下車が決まった場合
往復割引切符をすでに購入してしまった場合、途中下車する時のポイントがあります。
■ポイント
- 乗車券は有効期間内に利用
- 特急券は再度購入が必要
乗車券については、途中下車をした後もう一度乗車する時は、往復切符切符に記載された有効期間内に使用する必要があります。
もし、有効期間を過ぎてしまった場合は、途中下車した駅から目的地の駅まで再度乗車券を購入しなければなりません。
特急券については、途中下車ができません。
ですから、途中下車した駅から目的地の駅までの特急券を再度購入する必要があります。
このように、往復割引切符を購入してしまった後に途中下車をすると、有効期間がある上、特急券分が金銭的に損になるので注意してください。
続いて、実際に往復割引切符で途中下車する方法を見ていきましょう。
往復割引切符で途中下車する方法
それでは、実際に途中下車するときにどうしたらいいのか詳しく説明していきましょう。
途中下車する時の方法は下記になります。
■手順
- 途中下車の駅で通常通り自動改札機に切符を通す
- 乗車券のみ受け取る
いつも通り切符を自動改札機に入れて、乗車券のみ受け取ればOKなので簡単ですね。
自動改札機に切符を通すと、特急券だけが回収され、乗車券のみが出てきます。自動改札機に乗車券を通すと、機械に乗車券が飲み込まれると勘違いする人がいます。
ですが、乗車券は自動改札機に飲み込まれずに出てきますので、安心してください。
ただし、途中下車不可の切符を自動改札機に通した場合は、そのまま回収されてしまいます。
また、万一乗車券が吸い込まれてしまった場合は、駅員さんに話せば取り出してくれます。もし、回収されるか不安な人は、駅員さんに伝えて改札で通してもらいましょう。
この場合は、切符に途中下車した駅の印が押されたり、小さな穴を開けられることもあります。
ですが、再度乗車する時は問題なく使用できます。
往復乗車券は必ずしも途中下車した駅で再入場する必要がない
往復割引切符で途中下車する時に知っておくべき点は、往復乗車券は必ずしも途中下車した駅で再入場する必要がないということ。
これは、知らない人が多いので気を付けてください。
途中下車した場合、次も同じ駅から乗らないといけないように思いがちですが、実はその必要はないのです。
往復乗車券には、出発地と到着地、そして経由地が記載されています。その経路上の先にある駅なら、どの駅からでも再入場できます。
注意が必要なのは、すでに通過した駅で再入場はできないということ。
同じ経路上にあっても、すでに通過した駅で再入場はできません。その場合は、重複する経路の分の切符を改めて購入する必要があります。
できれば、後戻りしないように予定を組むことをおすすめします。
最後に、新幹線の往復割引切符で途中下車する場合のよくある質問と答えを紹介しましょう。
よくある質問と答え
こちらでは、新幹線の往復割引切符で途中下車する場合のよくある質問と答えを載せています。
よくある質問はこちら。
- 自由席、指定席、グリーン車の往復割引切符はすべて途中下車OK?
- 途中下車できない切符はあるの?
- 「スマートEXサービス」や「えきねっとトクだ値」などの途中下車は可能?
- モバイルSuicaで特急券だけを買った場合は?
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
自由席、指定席、グリーン車の往復割引切符はすべて途中下車OK?
自由席、指定席、グリーン車の往復割引切符は、すべて途中下車が可能です。
ただし、切符を買う時に必ず乗車券と特急券を分けて購入しましょう。
乗車券と特急券が1枚になった切符を買ってしまうと、途中下車するとその先の自由席、指定席、グリーン車の特急券分が無効になってしまいます。
乗車券と特急券を別々に購入しておけば、改札を通る際に2枚重ねて自動改札機に通しても、乗車券だけ戻ってきます。
途中下車できない切符はあるの?
これまでの説明の通り、特急券は途中下車できませんでしたね。
その他に、グリーン券、指定席券、急行券、寝台券も途中下車ができません。
「スマートEXサービス」や「えきねっとトクだ値」などの途中下車は可能?
トクトクきっぷと呼ばれるお得な割引往復切符の中には、途中下車できないものがあります。
また、東海道・山陽新幹線のネット予約サービス「スマートEXサービス」を利用した場合も途中下車ができません。
これは乗車券と特急券が一体となった商品ですので、途中下車すると乗車しなかった区間は無効となります。
「えきねっと」というJRの予約サービスで販売されている「トクだ値」という商品も、特定の区間で乗車券と特急券が一体となって割引になっていますので、途中下車できません。
モバイルSuicaで特急券だけを買った場合は?
モバイルSuicaで乗車券だけを購入し、特急券のみを往復割引で購入した場合は、一度特急券を券売機で発券する必要があります。
乗車券を自動改札機に通して、モバイルSuicaをタッチしても改札を通過することはできません。
乗車券と券売機で発券した特急券の2枚が揃えば、改札を通過することができます。
まとめ
新幹線の往復割引切符で途中下車する時の、切符の注意点、途中下車する方法、そしてよくある質問を紹介してきました。
往復割引切符で途中下車する場合は、乗車券のみ途中下車できて、特急券は途中下車できませんでしたね。
他にも、乗車券の有効期間などの制限もありました。往復割引切符を購入する前と、購入した後では、対処法も異なります。
特に、往復割引切符を購入した後に途中下車する場合は、途中下車した駅から目的地までの特急券分の金額が損をするので、注意が必要でしたね。
ですから、事前に途中下車することがわかっていたら、特急券だけは途中下車する駅までを購入しましょう。
途中下車する方法は、いつも通り自動改札機を通ることと同じなので簡単ですが、再入場については勘違いしている人が多いので気を付けてください。
他にも、途中下車ができない切符などもありますので、よくある質問も参考にしてください。