新幹線のトリセツをご利用いただきありがとうございます。
今回は、新幹線の事前予約についてのお話です。
事前予約と一口に言っても、よくわからないことが多いと思います。
事前予約を知らない方のために、事前予約とは何か、利用する時の注意点、事前予約の方法、そしてよくある質問と回答をご紹介します。
できるだけ分かりやすいように解説しているので、参考にしていただけたら嬉しいです。
それではまず、事前予約とはどういったものなのか見ていきましょう。
新幹線の事前予約とは?
新幹線の指定券は、始発駅を出発する日から1ヵ月前の午前10時に発売が開始されます。
ただし、発売日のさらに1週間前の午前5時30分(JR九州は午前10時)から申し込めるのが、「事前予約」というサービスです。
このサービスを利用すると、座席を予約できる可能性が高くなります。
事前予約は、インターネット限定のサービスです。
JRの駅窓口や、電話での申し込みは原則として受け付けていませんのでご注意ください。
JR各社の「えきねっと」「モバイルSuica」「エクスプレス予約」「スマートEX」「e5489」「JR九州インターネット列車予約」の各サイトが実質的な受付場所となり、こちらで事前予約の手続きをします。
サイトのよって、事前受付と書かれているものもありますが、事前予約と同じ意味になります。
注意が必要なのは、事前予約を利用するときには制約がある点です。
事前予約は、実際に購入が行われるのはあくまでも1ヵ月前からであり、予約の成立を保証するものではありません。
続いて、事前予約をする時の注意点を見ていきましょう。
事前予約をする時の注意点
事前予約を利用する時の注意点は、満席の場合は利用できないこともあるという点です。
事前予約では、切符の発売日の1週間前の午前5時30分(JR九州は午前10時)から受付が開始されます。
ただし、実際に座席の予約手続きが開始されるのは、発売日の午前10時以降となり、混雑して満席の時などは予約が一杯で利用できないのですね。
ですから、特に新幹線の車内が混雑する時期は注意してください。
また、同時に予約できる人数は、「JR九州インターネット列車予約」のみ7名まで、他は6名までです。
予約の成立または不成立の連絡は、発売日の午前10時以降にメールで通知されます。
次に、事前予約の方法を見ていきましょう。
事前予約の方法
ここからは、実際に新幹線の事前予約の方法を解説していきます。
手順は下記になります。
■事前予約の手順
- JR各社のサイトにアクセス
- 事前予約の手続き
- チケットを受け取り完了
このように、事前予約の方法はカンタンです。
それでは、順番に内容を詳しく解説していきますね。
JR各社のサイトにアクセス
まず、事前予約をするために、あなたが乗車する予定のJRの鉄道会社のサイトにアクセスします。
それぞれのサイトは下記をご覧ください。
路線 | サイト名 |
---|---|
日本全国 | えきねっと |
東北新幹線 山形新幹線 秋田新幹線 上越新幹線 北海道新幹線 | モバイルsuica |
東海道新幹線 山陽新幹線 | エクスプレス予約 |
東海道新幹線 山陽新幹線 | スマートEX |
東海道新幹線 山陽新幹線 九州新幹線 北陸新幹線 上越新幹線 東北新幹線(一部) | e5489 |
東海道新幹線 山陽新幹線 九州新幹線 | JR九州インターネット列車予約 |
それぞれのサイトで事前予約する時の特徴を説明していきます。
えきねっと
えきねっとは、JR東日本が提供しているサービスです。
しかし、東日本管内だけでなく、全国の新幹線を事前予約できます。
利用するためには、無料の会員登録に加え、指定されたクレジットカードの登録が必要です。
モバイルSuica
モバイルSuicaもJR東日本のサービス。
東北・山形・秋田・上越・北陸・北海道新幹線の事前予約を携帯電話で行えるチケットレスサービスを提供しています。
加入には指定されたクレジットカードと、モバイルSuicaに対応した携帯電話を持っている必要があります。
また、ビューカード以外のクレジットカードを使う場合には、1,030円の年会費がかかるので注意してください。
なお、次に紹介する「エクスプレス予約」の年会費を払えば、モバイルSuicaで決済することもできます。
エクスプレス予約
JR東海のサービスで、東海道・山陽新幹線のみが対象です。
利用するには、「JR東海エクスプレス・カード」に入会するか、またはすでにお持ちのクレジットカードに「エクスプレス特約」を追加する必要があります。
1,080円の年会費を払わなければなりません。
その代わり、割引サービスを受けることができます。
例えば、「のぞみ」の東京~新大阪間の通常期指定席特急料金と運賃の合計額は14,450円です。
しかし、「エクスプレス予約」を利用すれば13,370円で済むので、新幹線に1回乗れば元がとれます。
スマートEX
スマートEXもJR東海のサービス。
東海道・山陽新幹線のみが対象です。
「エクスプレス予約」とは異なり、EX予約専用ICカードは使えません。
このため、チケットレスサービスを受けたい場合は、指定されたクレジットカードに加え、交通系のICカードを登録する必要があります。
また、年会費は無料です。
しかし、割引サービスはほとんどありません。
e5489
e5489は、JR西日本のサービスです。
東海道・山陽・九州新幹線、北陸新幹線、上越新幹線、東北新幹線の東京―那須塩原間の事前予約ができます。
利用するには、無料で「J-WESTネット会員」の登録を行う必要があります。
クレジットカード以外に、駅、コンビニエンスストア、金融機関での支払いも可能なのが嬉しいところですね。
JR九州インターネット列車予約
JR九州インターネット列車予約は、JR九州のサービス。
東海道・山陽・九州新幹線の事前予約ができます。
駅、コンビニ、銀行ATM、ネットバンキングでの支払いに対応しています。
クレジットカード決済も可能です。
ただ、「e5489」と同じく、クレジットカードを持っていない人も利用できるのが特徴です。
以上が、事前予約をする時の、各サイトの特徴でした。
続いて、実際に事前予約の手続きを画像で解説していきますね。
手続き
利用するサイトはいくつかありますが、事前予約の手続きは基本的に同じです。
今回はえきねっとを例にして、画像とともに手続きの方法を紹介していきたいと思います。
設定は、乗車の1ヵ月以上前で、東海道新幹線の東京~新大阪区間の普通車指定席を予約します。
まず、えきねっとの会員登録と、クレジットカード情報を登録してください。
登録が終わったら、えきねっとのサイトの赤枠の「きっぷ予約」をクリックします。
次に、赤枠の中で、あなたが希望するものをクリックします。
今回は新幹線の普通車指定席を予約しますので、「指定席」をクリックします。
続いて、あなたが乗車する新幹線の路線を選びます。
今回は、東京~新大阪区間なので、東海道新幹線の場所をクリックしました。
すると、条件を指定する画面になります。
あなたが希望する乗車日、出発時刻、利用区間を入力して、「以上の内容で空席を確認する」をクリックしてください。
1ヵ月以上前の予約(事前予約)の場合は、以下の画面に移ります。
事前受付というのは、事前予約と同じ意味です。
「事前受付へ進む」をクリックしてください。
次に、希望する列車を選びましょう。
その後、乗車する人数を入力して、「座席選択へ」をクリックします。
並び方、車内の位置、喫煙ルーム付近の希望などを選択します。
次は乗車券申し込みです。
今回は、乗車券を同時に申し込まないので左側をクリックします。
もし、事前予約で乗車券も同時に申し込む場合は、右側を選択してください。
申し込み内容を確認して、「以下の内容で申し込む」をクリックすれば完了です。
他のJRのサイトでも、手続きは同じような手順ですので安心してください。
最後に、事前予約の切符の受け取りを見ていきましょう。
切符の受け取り
チケットレスサービス以外の事前予約では、切符の受け取りが必要です。クレジットカードを登録した場合は必ずご持参ください。
JRのサイト別に受け取りについて紹介しますね。
【えきねっと】
えきねっとは、全国の新幹線の事前予約に対応しています。
しかし、切符の受取はJR東日本とJR北海道の主な駅および、JR西日本の金沢や富山など北陸エリアの一部の駅窓口または指定券券売機に限られます。
JR西日本のその他のエリアの駅、またJR東海・四国・九州の駅では受け取れません。
JR東海との共同駅では、ほかにも制約があるので、次のエクスプレス予約とスマートEXで確認してください。
【エクスプレス予約・スマートEX】
エクスプレス予約、スマートEXは、JR東海およびJR西日本が管轄する駅窓口、または指定券券売機でのみ受け取りが可能です。
JR東日本との共同駅である東京・品川・新横浜・小田原・熱海の場合、JR東海の切符が受け取れるのは「EX」というロゴが表示されている駅窓口と券売機だけです。
それ以外の駅窓口と券売機はJR東日本の管轄であり、「えきねっと」で予約した切符は、逆にこちらでしか受け取れないのでご注意ください。
【e5489】
e5489は、JR東海エリアで乗車区間にJR東海を含む切符のみ受け取りができます。
JR東日本の切符は、北陸新幹線と東京区内各駅で受け取りが可能ですが、JR東海エリアを含む切符は受け取れません。
それ以外は、原則として予約可能エリアの全ての駅窓口または指定券券売機で受け取りができます。
【JR九州インターネット列車予約】
JR九州インターネット列車予約は、JR九州エリアとJR西日本エリアの駅窓口または指定券券売機でのみ受け取りができます。東海道新幹線の予約にも対応していますが、JR東海エリアでは受け取りができないのでご注意ください。
最後に、新幹線の事前予約についてのよくある質問と回答を見ていきましょう。
新幹線の事前予約についてのQ&A
新幹線の事前予約について、よくある質問を紹介します。
- 事前予約できなかった場合は?
- 事前予約は抽選なの?
- 事前予約を取り消したい時は?
- 10時打ちとの併用の効果は?
それでは、順番に解説していきますね。
事前予約できなかった場合は?
事前予約できなかった場合は、キャンセル待ちを狙って再度事前予約をしましょう。事前予約は、発売日の1週間前の午前5時30分(JR九州は午前10時)から開始されます。
ですが、その直後はアクセスが集中しネットがつながりにくくなることがあるので、予約に失敗してしまうケースも考えられます。
キャンセルが発生することもあるので、発売の直前までは事前予約を何度か試みる価値はあります。
事前予約は抽選なの?
事前予約は、抽選ではありません。
申し込み順にしたがって、発売日の午前10時以降に予約手続きを開始するというのがJRの公式見解です。
事前予約を取り消したい時は?
事前予約の段階であれば、各サイトにアクセスして手続きを行えば、手数料なしで取り消すことができます。
ただし、発売日の午前10時まで取り消しを受け付けているのは、エクスプレス予約、スマートEX、JR九州インターネット列車予約のみです。
ちなみに、e5489は発売日の午前9時59分まで、えきねっと、モバイルSuicaは午前9時54分までなので注意してください。
10時打ちとの併用の効果は?
10時打ちと事前予約の併用の効果はあります。
10時打ちとは、駅窓口で発売開始日の早朝から申し込み用紙を受け付け、午前10時になると同時に順次予約の手続きを行うことを指します。
あくまでも非公式のサービスであるため主要駅でしか行われず、受け付け開始時間も駅によって一定しません。
もともとは午前10時の行列を緩和することを目的としていますが、実質的に事前予約と同じものです。さらに、JR西日本では、繁忙期限定ながら電話による事前予約を公式に受け付けています。
冒頭では事前予約をインターネット限定のサービスと紹介しましたが、このような抜け道もあるのですね。
また、ネットの事前予約では、発売日の1週間前の午前5時30分(JR九州は午前10時)から受付を開始します。
しかし、実際の予約手続きは発売日の午前10時から開始されます。このため、「10時打ち」に追い越される可能性もあるということになります。
希望する座席を確実に予約したい場合は、併用することを考えても良いかもしれません。
一方、駅窓口はあるものの、それほど利用客が多くない駅では「10時打ち」を行っていないので、先客が居なければ午前10時一番に予約の申し込みを行ってもらえます。
駅に出向くのが苦にならなければ、これも一つの選択肢になります。
まとめ
ここまで、新幹線の事前予約について、基本的な知識、注意点、事前予約の方法、よくある質問と答えを紹介してきました。
事前予約の最大のメリットは、駅に出向かずに早い段階で座席を確保できる可能性が高いことです。
しかも、新幹線は座席数が多いので、事前予約ができないケースはめったにないと考えてもらってOKでしょう。
午前5時30分に起きても、ネットがつながるのを待たされるおそれがあるなら、いつもより10分程度早起きして手続きするくらいがちょうど良いのではないでしょうか。
ただし、JR九州は午前10時からなので注意してくださいね。
事前予約をこれからしてみようと思っている人は、参考にしてもらえると嬉しいです。